2022年3月5日
一般社団法人全国コミュニティ財団協会
我々は2014年に設立され、日本国内における地域の暮らしと命を守り、個人の尊厳と人権を守り、多様性と対話を基軸に地域づくりを目的としたコミュニティ財団の集まりです。
我々のような日本に暮らしている市民には、ウクライナやロシア、関係各国が置かれている歴史的背景、地政学的な状況等について入手できる情報が限られています。そのため、メディアによる報道においても注意深く視聴すべきで、正確さ、真実について断定的に語ることは難しい状況にあります。
限られた情報の中でこの声明を公表することに様々な意見がありました。しかし、今回のウクライナ侵攻に対して、かの地における影響だけではなく、国内においても沖縄県を中心に自衛隊・米国海兵隊等の基地や空港等がある地域で影響が起き始めており、我々もまた当事者でもあります。
そうしたことを踏まえて、以下に掲げる三つの視点において、この声明を公表します。
我々はいかなる理由にあろうとも戦争に反対します。
戦争や紛争は、最大の人権侵害といわれ、軍・民間の立場を問わず多数の人命が奪われます。とりわけ高齢者、女性、子ども、障がいを持った人等の弱い立場の方々に、特に深刻な影響をもたらします。また、個人の生命・財産だけではなく、地域の文化や景観にも影響があり、様々な政治的、経済的、宗教的な状況から分断や差別なども強く懸念されます。
コミュニティ財団は、地域のなかで、市民性を大切に人々の暮らしと命に寄り添うための資源循環を目的として事業を展開しています。その立場からも、ウクライナへの侵攻に掛る暴力での現状変更の試みは許されるものではありません。
我々はいかなる理由にあろうとも戦争に反対します。同時に、対話をあきらめずに、平和的な問題解決につながるためのあらゆる努力を望みます。
日本国内の市民生活への懸念とロシアに背景・つながりをもつ人々への差別に反対します。
具体的に現時点で予見することは難しいものの、原油や天然ガスの価格が上昇する可能性があり、コロナ禍において経済的な困窮状況が深刻化している中、日本国内の暮らしへのさらなる影響が予想されます。
また、今回の侵攻を理由に日本に暮らすロシアに背景・つながりをもつ個人への攻撃と差別が起こることを懸念しています。我々は、いかなる理由においても、ヘイトスピーチや差別に対して反対し、人権の尊重と多様性への配慮、対話を重視することを望みます。
市民からの寄付は、今回の戦争によって支援を必要としている市民へ
現在、ウクライナ侵攻に対する寄付が広がりを見せている中で、寄付者の平和への願いを託された大切な寄付が、兵器購入などを含めた戦争を助長する動きにつながらないことを強く願います。
以上